2014年03月25日
多頭飼育崩壊現場のお散歩ボランティアに母と参加してきました。
東京から1時間くらいの場所だったのですが、道に迷うこともなくスムーズに到着。
待ち合わせ場所には結構な人数のボランティアさんが集合、その2/3くらいは私達のような初参加の人達でした。15人以上いたかと思います。
初めての人が多い上に人数がいつもよりかなり多かったらしく、リードの数やら細かい説明やらでまず大変そう。
この人数をまとめるには事前の準備が大切ですね。
忙しいのは充分把握しているつもりではあるのですが、募集をかけた以上、全てに対してもう少し合理的かつ段取りよく進める手筈を整えなければせっかく増えた参加者が減ってきてしまうのではないかなと、ちょっと心配になりました。参加者も時間に余裕のある人ばかりではないと思うので。
とはいうものの、この活動をしている方々のバイタリティは素晴らしいと思います。
今日も2匹の里親さんが決まりましたし、短期間でかなりの頭数の里親や一時預かり先が決まっているようです。
自己施設で保護しながら里親探しの活動をしている団体は個人でも組織でも沢山ありますが、この速さで次々と決めていけるってそんなに多くないと思うのです。
facebookやtwitter、ブログなどで状況を上手に説明しているということが一番大きな理由だと思います。私もそれをみて参加したわけですし。「なんとかしてあげなくっちゃ!」という気持ちにさせてくれる内容なのです。
散歩をしたこともないまま大きくなった子が沢山いるので、リードをつけて門の外に出すのも一苦労。普通なら3分程度の距離なのに、私の担当した子は30分以上かかりました。
最初はとにかく嫌がって家に戻ろうとするので首が締まってゲホゲホ。尻尾は足の間に入ってしまうし、おやつも口にできない。ただ、人に対しての攻撃心は全くなかったので、そばに座って撫でてみたり、話しかけてみたりと、のんびりのんびり進んでいくうちに、ほんの少し、本当にほんの少しですが、外の世界に慣れたのではないかなと思いました。
「この子は名前がないのでつけて下さい」といってくださったので、ニコ、と名付けました。可愛いでしょ、ニコニコちゃんみたいで。理由は今日が25日だったから、なのですが。
すごく大人しくて怖がりで、見た目も華奢な綺麗な顔の楚々としたイメージの女の子だったのですが、明るく楽しげな雰囲気に変わってほしいなという意味合いも込めています。
母はグリムという、ピットブルとフレンチブルと和犬が混ざったようなファニーな顔の男の子を担当しました。
ここの子達は細顔の和犬雑種が多いのですが、グリムは1匹だけちょっと顔立ちが違うのです。この子のほうが早くお散歩慣れしそうな性格でした。
もしどの子か1匹連れて帰らなければ、という状況だったら迷わずこのグリムを選んだに違いないわ、というくらい、母は気に入っていました。
でも私も、ニコちゃん連れて帰りたいって思いましたから。お散歩をしてもらいながらの里親探しってすごくいいアイデアです、本当に。
多頭飼育現場はおじいさんが自宅で避妊手術をせずに飼い続けるうちに60頭にまで増えてしまったという場所。普通のおうちなのです。
おじいさんもここまで増えてしまって、近所への迷惑を申し訳なく思う気持ちからイライラして犬達に当たってしまうこともあるようなのですが、元々は動物好きな優しい人だと思うのです。
今は訪ねてくれる人が誰もいなくなってしまい、寂しいのですね。
だから今日は「こんなに沢山うちに来てくれるなんて!ありがとう。どうぞこれ飲んで」と、栄養ドリンクを沢山用意してくれていましたし、帰るときに挨拶すると門の外まで出てきてくれて「ありがとうございました。近くに来たら是非また寄って下さいね」といってくれました。
犬達の現状を変えていくと同時に、おじいさんのケアもしていくことが必要かもしれないなと思いました。
私はおじいさんを責められないです。
個人宅での多頭飼育崩壊って、きっと多かれ少なかれこんな感じなのでしょうね。
自分で世話をしきれない程の数を飼うことは正しくないですよ、もちろん。
でも、捨てられていたから可哀想で拾っていくうちに、周りの人が、ここなら飼ってもらえるからとその家に捨てていったり。そんなことが重なって、そして適切な飼い方をできない、または知らないということが、結局自分も動物も苦しめることになっていってしまうのだなと。
自分さえよければ、という考えの人よりよっぽどいいです。
今日のお散歩ボランティア。おじいさんのことが一番気にかかりました・・・