2017年09月13日
水沢うどんを食べてお腹いっぱいになった私達は帰りのバスの乗り場がある、渋川駅方面に向かうことに。
といってもそのまま行ってしまうとバスの時間までだいぶ待つことになってしまうので、タクシーの運転手さんのオススメ「自動車と人形の博物館」に寄ることにしたのですが、その博物館までの通り道にも寄りたい場所がいくつか。
「どのくらいの距離なんだろう?歩けるかな?」「歩けるわけないじゃん!こんなに荷物が重いし、絶対に遠いよ!」
じゃあ、よきところでタクシーを呼ぶことにしましょう、とテクテク歩きだしたのですが・・・
そのよきところがない!
どこまでいっても山道のみ!
目印がないから呼べないよ、タクシー・・・
「もう足が痛くて歩けないよー。荷物が重くて辛いよー」
ヘタレな娘。
うるさくて仕方がないので娘の荷物の半分を私が引き受けることに。すでに同じくらいの荷物を持っていたんですけれどね。でも私はまだまだ平気だったし、弱音を吐くやつ、文句をいうやつにイライラしちゃうんですね、性格的に。もういいよっ!って気分。
大荷物を持ちながら歩くこと30分くらいでしょうか、万葉亭という温泉まんじゅう、うどん、豆腐のお店が出てきました。
ここならタクシーを呼べそう!
「あっ、そういえばさ、焼売大丈夫かな。保冷バッグには入っているけれど保冷剤はついていなかったよ。」と娘。
じゃあ、持ち帰り用のお豆腐を買って保冷剤も入れてもらおう。「大きいのは重いから小さいのにしようね」と娘。はいはい。
「あわ雪 豆乳とうふ」というカップのお豆腐がありました。
「このお豆腐を2つ下さい。保冷バッグはあるのでここに入れてください。そして保冷剤も購入したいのですが」というと、お店のご主人が「はい。じゃあ、入れましょうね。でも保冷剤(大)は40円しちゃうんです。だからね、ほら、これをあげるのでここに入れれば大丈夫でしょ。」と冷凍した売り物のおからをひとつ入れてくれました。
「ありがとうございます!でもまだまだ何時間も持ち歩かなければならないので保冷剤もひとつ下さい」というと、「じゃあね、おからを2つ入れますよ。これでいいでしょ。あっ、保冷バッグが閉まらないねえ。ちょっと待って。これに入れてあげますよ、これなら大丈夫!」と大きな豆腐とセット売りしていた大きな保冷バッグに入れてくれたのでした。
「えっ、そんな・・・じゃあ、この大きなお豆腐も買います。あっ、重くなっちゃうから小さいお豆腐を2つにします」というと、「いいんだよ、そんなにお金使うことないよ」とご主人。
でも、小さいお豆腐2つ分の700円しか払っていないのに、おから2つと保冷バッグまでただでいただいてしまうのは申し訳なくって。ご主人は焼売の為に保冷剤がほしいというのをわかっているから余計なお金を使うなといってくれたのです。「おからはね、ポテトサラダみたいにするといいよ。じゃがいもの代わりにそのまま使ってね」とご主人。
そんなやりとりをしていると、観光バスから降りてきたおばさま一行がやってきて、「あら、お豆腐買うとおからもつけてくれるのー?じゃあ、私もこのお豆腐セット」「私もお豆腐と保冷バッグのセット!」
「はいはい。ありがとうございます」とご主人がおばさま方の接客を始めました。
そして私に「小さいお豆腐あと2つ、ここに入れるね」というので、「これでお願いします」と5000円を置くと、おばさま方の接客でワサワサしながら「はい。じゃあ、おつり5000円ね」とそのまま私に返してきたのでした。
「えっ?」とびっくりすると、「いいんだよ。それはおつりだよ。ラッキー、だね!」と笑いながらのご主人。行きなさい、という顔をして、そのままおばさま方の接客を始めたのでした。
お豆腐2つとおから2つと保冷バッグをただでいただいてしまったということになります。ポカンとしている私達に「余計なお金を使わなくっていいんだよ」ですって。

粋でとっても親切な対応に涙が出そうになった私。「かっこいいねえ、あのおじさん。やり方が粋だよね」と娘も感動。
(写真は帰宅してから食べたお豆腐。ご主人が「黒蜜かメイプルシロップをかけて食べてみて。」といったので、黒蜜&杏ジャムといか昆布を載せてみました。どちらも美味でした。ごちそうさまでした!)
お豆腐屋さんの一件でタクシーを呼ぶのをすっかり忘れて歩きだした私達。しばらくしてから、あっ!
仕方がない。またテクテク歩くことになってしまったのでした。それもさらに重くなった荷物を持って。
「あとちょっと頑張ってみよう。あとちょっとしたらお店が出てくると思うよ」と娘をなだめすかしながらまた30分。
ようやくお土産屋さんを発見!
「じゃあ、ここで休んでいる間にタクシーを呼ぼう」
娘が食べてみたいといっていた焼きまんじゅうをオーダー。焼き立てをほおばりながらお店の人に「自動車と人形の博物館ってどのくらい先ですか?」と聞いてみると、「徒歩で10分かからないくらいです。」えっ、タクシー呼べない?
「あー、タクシーを呼ぶ距離じゃないですね。呼んだらちょっとかわいそうかも」とお店の人。ああ・・・
結局、博物館までの全距離を歩き通したのでした。タクシーの運転手さんも横手館の人も「歩いて行くのは無理ですよ」っていっていた距離なのに・・・がんばりました 笑
博物館は期待していなかったのですが、いやあ、結構すごかったですよ。行く価値あり!です。
もう、館長の「ザ・オタク!」な博物館!そのコレクションがすごいのです。オタクを極めちゃっててある意味感動でした。
入場券代わりに小さなキューピーちゃんをもらうのですが、最後にその子達に色付けをするのがまた楽しくて。
よくできた観光スポットでした。

博物館で1時間半以上を費やし、そこから10分くらい歩いて(まだ歩くのかっ!って感じですけれど)、パイが美味しいという「ブレイバーン」というお店へ。
すると、そのお店の前に渋川駅行のバス停が!それも20分後に来るみたい。ラッキー!
バスを待つ間、店内でアップルパイを。幸せ♡
タクシーを呼ぶことなく渋川駅に到着したのでした!
「伊香保の人ってみんな親切だったね!いろんなことが超ラッキーだったし!」と心もお腹も大満足な私達だったのでした。