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スタッフの日々
ガリガリラブちゃん事件の顛末
2020年02月06日

ガリガリちゃん事件の顛末です。長いです。

犬仲間のYさんから「犬のオフ会で数回会ったことがありSNSで繋がっているHさんという女性から相談があったの。Hさんの元カレが3頭ラブラドール(黒ラブ2頭、黄ラブ1頭)を飼っていて、その中の黄ラブを虐待していて。食餌も充分に与えない、散歩もしないで一日中ケージに入れっぱなし、もちろん手を挙げるし、他の2頭がいじめているのを笑って動画に撮りSNSにアップしている、その子が反撃するとものすごく叱りつける・・・ガリガリでかわいそうなのだけど、その子をいらないからとラブラドール仲間に内緒でこっそり里親サイトに出したんだって。その条件も酷くて、高齢者可、単身者可、引き取りに来てくれる人。虐待の為とか繁殖の為とかで応募してきてもおかしくないし、どんなところに渡しちゃうかと心配でできればHさんが引き取りたいのだけれど、元カレは絶対に引き渡してくれないし、Hさんは元カレからDVを受けていたからものすごく怖いと。元カレに知られないようにそのラブを救えないかしら?と。どうしたらいい?」

ガリガリなラブラドールの写真と黒ラブ2頭にいじめられている動画、そしてYさんとHさんがその件でやりとりしているメッセージのスクリーンショットが送られてきました。

大変!

すぐにその里親サイトを確認し、友人や妹達にもお願いし、応募してもらいました。

Hさんいわく、「元カレは黒ラブに子供を産ませ、9頭産まれた仔犬のうち7頭をラブラドール繋がりの人達に売ったから味をしめて、これからもブリーダーもどきのように仔犬を生ませてお金儲けをしようとしてる。今いる黒ラブのうちの1頭がその母犬でもう1頭は仔犬。本当はもう1頭の仔犬が残ったのだけれど、やんちゃだったから『俺、こいつを殺しちゃいそう。どっかにやってほしい』というから慌ててみにいくと、背中に刃物で刺されたような傷を作り血だらけだった。だから急いで助けて里親に出した。その前にもラブの仔犬をブリーダーから買ったのに、半年くらいで死んだというし、他にもいろんな大型犬を飼ったのにどんどんいなくなる。元カレはオラオラ系だから余計なことがいえないけれど、虐待しているのは確か。今までに一度も病院に連れて行ったことはないし、予防接種もしていなければ畜犬登録もしていない。」

まずいじゃないのっ!

ということで、知り合いの男性Sさんにその経緯を話したところ、「その犬をみてこなくっちゃ。住所とか連絡先とか教えてくれない?」

YさんからHさんに確かめてもらったところ、犬が死んじゃう!と慌てていたわりにはなかなか教えてくれなくて。

DVを受けていたから怖いのね、と思い、「絶対にHさんからだとわからないようにするから!」と伝えてもらいました。

ようやく教えてもらい、Sさんは静岡まで車を飛ばしてくれました。

21時頃でしたし、家の前には車もある、電気もうっすら着いている。なのに出てこない。しばらく待っても出てこない・・・居留守だ。

YさんからHさんに「Sさんが様子を見に行ってくれるから」と伝えてありましたし、ここまでのやりとりの間に?と思う節もでてきて、Sさんと私は「Hさん、元カレに情報を伝えているのでは?」と若干の疑心暗鬼にもなっていました。

そこで、Sさん、「いませんかー?ボランティアのものです」と窓の外から呼び出すことに。

すると、、女性が出てきた!それもHさん!!!やっぱり!

「彼は酔っぱらって寝ています。私は犬が心配で少し前に復縁しました。」

本当ですかねえ?と思いつつ、Sさんは「彼と話しをさせてください。」

Hさん「起きません。」

Sさん「犬を見せてもらってきちんと話しをしないと僕も帰れません。あなたのことは彼にはいわないので、起こしてきてください。そうじゃなければ外から大きな声であなたから通報があった、といいますよ。」

Hさんは観念して彼を起こしに行き、「私は帰りますから」と自分の犬(連れて来ていたのです)とそそくさと出て行ってしまいました。

犬が心配だったんじゃなかったのかしら、ねえ。

Sさんは彼に「2014年にプロットハウンドの里親になりましたよね?その犬は今、どこにいますか?」

「いません。知り合いに譲渡しました。」

「里親になる際に終生飼育って条件でしたよね?それなのに人にあげた?そして他の犬を飼っているの?そのくせに犬をガリガリにしてまた里親に出すって?今までも色々な犬の里親に応募もしていますよね?それって契約違反じゃないですか?もし今、そのラブを引き渡してくれたらプロットの件も団体には伝えないですし、ラブもきちんと健康にしてから里親にだします。いかがですか?」

「そんな権利、お宅にあるの?痩せているのは上手く消化が出来ない体質なだけだから。」

と全然、話しになりませんでした。

ただ、Sさんはラブが生存していることを確認しました。よかった。ガリガリな上、ケージに入れっぱなしなので後ろ脚の筋肉が落ちたような状態だったそうでしたけれど。

Sさんは「もしラブを渡してもいいと思ったらご連絡下さい。また、プロットの譲渡先も教えて下さい。」といい、自分の電話番号を置いて帰ってきたのでした。

この彼はもちろん動物を飼う資格はないです。

適切な飼い方をしていないですから。

食餌、散歩、病院、畜犬登録、狂犬病を含む予防接種・・・全部アウト。その上、賃貸しているアパートは大型犬不可、複数頭の飼育も不可。

ダメでしょ、飼ったら。

保健所、警察、里親サイト、管理会社、、、様々なところへ通報や相談をしました。

動物は自分で飼い主も暮らし方も選べないのです。

誰かが守ってあげないと。

アニマルポリスがあったらなあって痛感しました。そうしたらもっと早くいろんなことが対処できたのに。

日本では兵庫と大阪でアニマルポリスを設置したばかり。全国へ広がるのはまだまだ遠い話、ですね。なんとかしなくっちゃ。

毎日のようにYさんやSさんとやりとりし、ガリガリラブちゃんを何とか救う方法はないかと考えました。

しかし。

このHさんがやっぱり変だぞ、とみんな本格的に気づきだしたのでした。

だって毎回状況が変わるんですもの。

「ラブは新しい里親が決まったからもう大丈夫」といったかと思ったら、「まだ決まっていない。」

「彼からDVを受けていた」といったかと思ったら、「腕を2回引っ張られたことがあるくらい」となったり。

そのうち、Yさんが別のラブ仲間から悪者にされていました。「Yさんがヤクザみたいなブリーダーを使ってラブを盗ろうとしてる」と。

Hさんが吹聴したのだと。

それと同時にSさんの元へチンピラ風の男から電話がかかってきました。

「てめえ、なにしてんだよ」と内容を言わずに延々と。「はい?なんの話しでしょうか?」とSさんが聞いても内容を言わないので、「話にならないので切りますよ」と電話を切ると、またすぐにかかってきて、「悪徳ブリーダーだか・・・」と言い出したので、「ああ、Hさんか彼から頼まれたんですね。あなたが内容を話さないのならば今から5分だけ黙って私の話を聞いて下さい。あなたの言い分はそれから聞きますよ」といい、今までの顛末を話すと、「本当に申し訳なかったです!」

どうやら、その人はHさんから「チンピラみたいなブリーダーらしき男がラブを盗ろうとしてその上お金まで恐喝されているの。助けて!」といわれて電話をしてきたのだそう。

Sさん大笑い。今、静岡なのでこれから東京にお詫びに伺います!というその男性に「いや、大丈夫ですよ。LINE教えて下さい。Hさんとガリガリラブちゃんのことでやりとりしていた内容や画像等を送りますから。ところでラブちゃんは?」と聞くと、

「埼玉に住む知り合いでラブラドールを数年前に亡くした人がいて、里親になりたがっていたので先日、渡しました。ちゃんと幸せに暮らしています。後でその内容も送ります。僕はHさんだけでなく飼い主だった男とも知り合いなのですが、確かに飼い主はそのラブは飼いきれなくて困っていました。でも周りにそれを隠していたわけではなく、『恥ずかしいんですが飼いきれなくて。』と里親を探していることを話していました。」謝り続けながらそういったそうです。

ぜーんぶ、Hさんの嘘だった、というわけですね。

Hさんは彼に嘘をつき、Yさんに嘘をつき、他の犬仲間達にも嘘をつき、Sさんに電話をした人にも嘘をついていたのです。

そしてラブちゃんの里親になった人や周りの人には「私(Hさん)の尽力でラブは幸せになったんだ!」と語っていると。

ふざけるなっ!

こう書くとさらっとした内容ですが、この100倍以上大変な思いややりとり、実際に足を運んだSさんもいて、ものすごく多くの善意を踏みにじったのです。

虐待していたこの男もクソですが、この「Hさん」という人はクソ以下の最低人間!

犬のことなんか本当はどうでもいいんですよね。自分の立場を守る為、自分をよくみせるために犬を利用しただけ。都合が悪くなれば誰かのせいにして逃げる。

この女は自分でもデイジーという黒ラブを飼っているそうですが、ほーんと、かわいそう、デイジーが。

インスタでも「ラブラドール大好き」「海と川 自然が大好きです」なんて自己紹介してる。

飼い主が選べないのはデイジーも同じ。この人の彼が溺愛しているという黒ラブ2頭もね。

ガリガリラブちゃんが幸せになったということは嬉しいのだけれど、なーんかすっきりしない顛末、でした。

 

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