2019年05月09日
うーが売られていたペットショップのサイトをみると、今、アイリッシュセッターが12頭いました。
「日本で一頭しかいません」ってほんの少し前にいってたよね、店員さん・・・
12頭の中でうーのブリーダーの子は5頭。
大丈夫だろうか、先天性疾患は。
犬仲間達も「うーの兄弟もうーと同じ状態になる可能性が高いんだよね。うーの親犬は大丈夫かなあ。そして何も知らないでこれからも繁殖を続けるのって怖いことだよね。」
本当にそうです。
「もし、うーの兄弟がどこかに売れ残っていたならばうちで飼う!うーみたいに早く病気がみつかれば早い治療が受けられるし、病気がみつかってもしいらないといわれたらその子は処分になっちゃうかもしれないし。」
そう決めた犬仲間もいます。
とりあえず、うーの状況をブリーダーに話さなくっちゃ、と連絡先を調べて電話をしました。
最初はかなり訝しそうなブリーダーの男性。
できるだけ穏やかに心を開いてくれるように「事情があって昨年11月27日に〇〇さん(ブリーダー)のところで生まれたアイリッシュセッターをうちで引き取っているのですが、その子の目に先天性疾患がみつかり、手術をしました。それもかなりの難しい手術です。もし、兄弟犬が残っていれば同じ症状が出る可能性があることをお伝えしないとと思ったのと、親犬の様子をお聞きしたくてご連絡しました」といいました。
どうしてうちの電話がわかったの?どうしてうちの犬だってわかるの?などと質問があったので、ペットショップの売買契約書にブリーダーの名前も書かれていること、名前や県を検索すればすぐに連絡先は調べられたことなどを話しました。
話をまとめると、
・生まれた仔犬は全て埼玉の市場(セリ)に出してしまうので仔犬は手元に残らない。
・今現在、自分のところにはメス3頭、オス1頭のアイリッシュがいる。そのうち1頭のメスはおばあちゃん、2頭のメスは同胎の姉妹。
・今年に入って市場の会社から遺伝子検査を徹底するようにというお達しがブリーダーのところに来ているので、自分のアイリッシュも現在遺伝子検査中。結果はまだ出ていないし、11月(うーの時)や2月(今売られている子達)の出産時には遺伝子検査はなされていない。(ちなみに柴犬などの人気犬種に関してはさっさと検査に出して結果も出たそうです。)
・元々自分のところのアイリッシュは狩猟犬用だった。でも狩猟犬のニーズがなくなってきたのでペット用として売ることにした。少しでも高く売りたい為に、ショー用のアイリッシュが入った犬(オス)を購入し、狩猟タイプのメスと繁殖させている。そういうわけでうちは狩猟の血が強く、高く売れないし、そういう掛け合わせだから身体的にいろんな問題が起こるというのもあるかもなって思う。
・今回、こういう話を聞いたし、うちのアイリッシュは安くしか売れないしで、今後、アイリッシュを繁殖させるのはやめようかとも考えている。
・うーのペットショップが評判が悪いことは知っている。だけど、セリに出してもあそこがダメ、ここがダメと返される中で、よく買ってくれるあそこはありがたい存在。
・この話はペットショップにしてほしい。そうすれば、ペットショップから市場の会社に連絡がいき、うちのアイリッシュを取引しないようにするなどの話になるだろう。
そんな感じでした。
「11月や2月に生まれた仔犬は残っていないのですね。そして戻されることもないのですね。じゃあ、繁殖をやめた親犬はどうするのですか?例えば、里親になりたいといえば、引き取らせてくれますか?」と聞くと、
「いや。うちで最後までというのが私のポリシーだから手放さない。」
「じゃあ、普通の生活ができるのですか?よく話に聞く狭いケージに入れっぱなしで散歩もなく身動きもとれないとかではなく」と聞くと、
「うちは田舎だからかなり広い。100坪ある敷地にオリを置き、そこで犬達が自由に動けるようにはしている。散歩はしないが毎朝晩、餌をやりにオリに入るし。これで食べさせてもらったんだから繁殖できなくなったからと手放したいしない。最期まで世話をするのがモットー。だから年寄り犬も多いんだよ。」
うーーーーん。
最期までというのはいいことですし、狭い金網ケージで身動きもとれないままただ繁殖だけに使われる劣悪中の劣悪な環境ではなさそうだけど、でも、走ることが喜びの犬にとって、ただ動けるというくらいのオリの中で一生を終えるなんて!
所詮、ブリーダー。
他者の命でお金を稼ぐ人達。
その犬(他者)の立場になり、その犬の幸せを考え、その犬の幸せな暮らしを与えるという感覚はもちろんない。
ま、ブリーダーだけじゃないけれどね、そういう人。
自分の犬を過保護にしたり、自分の都合で生活させる(不必要に過度なシャンプーとか、散歩や世話の時間をきちんととらないとかね。犬臭が嫌なら飼うなって!充分に走らせられない環境なら走ることが大好きな犬は飼うなって!)飼い主も同じ。
(そういう飼い主は人間の子供に対しても同じなのですよね・・・過保護で自分勝手な愛情を注ぐのです。気づくことはないでしょうけれど)
生体販売のあるペットショップは廃止してほしい!
セリシステムも廃止!
ブリーダーをするならば、いつでも見学可能なクリーンで適切な飼育&繁殖を!資格制にして一度でも問題が起これば資格抹消!
今回のうーの出来事(うーがうちに来た経緯、その時の周りの反応や意見、疾患がみつかった時の各病院・獣医師の人柄や対応、ブリーダーやペットショップの対応など)の真実を全て、今度のイベントで実名を挙げてお伝えしたいと思っています。
知らないから買うのです、大部分の人は。
まずは知ることから、だと思います。
うーのブリーダーが言っていた、「安い店で買うってことはそれなりってことだよ。そりゃあ、安く買って高くつけて売る店もあるけどね」って言葉、一理あるなあって思いました。
それなり、と命に対して使う言葉ではないですけれど、でも、そんなにいい加減に命を売り買いするシステムでは、病気やら先天性の疾患などを考えず、ただお金儲けとして命を作り売る人の集まりですから。
軽々しく命を扱う世界の一端を担っているのは「そういう店で買う人達」なのです。