セッターちゃんを預かってから毎日のように（それも1日2回もたびたび）代々木公園のドッグランに行くのですが、ここに来ている犬達は幸せだなあとつくづく思います。

自分の犬の為にこうやって時間を作って連れてくるのですから。それも世田谷区の砧や杉並区の浜田山などからも常連さんと同じくらいのペースで車で連れてきていたり。

ドッグランで色々な犬と遊ばせる飼い主は、犬同士の遊びが少しくらい荒くても寛容な人が多いと思います。そういうところも犬達にとっていいことだなあと。

ちょっと吠えられたり追いかけられたりするだけで、慌てて抱き上げてしまったりかばってしまったりすると、犬は飼い主のそばにいれば強気でいられると思ってしまいますし、犬仲間での上下関係や社会性が身につかないですよね。

喧嘩になってしまったら人間が止めなくてはいけなかったりしますが、ある程度は様子をみていてもいいんじゃないかなと思うのです。

ここのドッグランの飼い主達は、そういう見極めも上手な人が多いと思います。

犬達も幼犬の頃から沢山の犬達と遊んだり怒られたりすることで、ここまで強く咬んだらいけないんだな、とか、怖いときにはお腹を出して降参すれば大丈夫なんだとか、犬との関わりを色々と学んでいくので、私は子犬時代にドッグランに通うことは必要だと思っています。

昨日も、ああ、ここの犬達は本当に幸せな人生だわ、なんて、走り回っている犬達を見ながら思っていたのですが、脚を痛めているグレートデンちゃんの様子を別の飼い主さんと話していたところ、「あの子ももう年だから、そんなに時間がないし。今までのことを考えると1日でも早く治して、楽しい毎日を送って欲しいんだよね」というので、どうしたのかと聞いたところ、1年くらい前に今の飼い主さんが引き取った、飼育放棄犬なのだとか。

詳しい経緯は聞かなかったのですが、裕福な家庭が飼ったのだけど、世話をすることもなく辛い生活を送っていたのだとか。

すごく穏やかなグレートデンの男の子なのですよ。

私はグレートデンが大好きで以前本気で飼いたいと思っていたのですが、超大型犬の為、寿命がとても短い（6歳くらいで死んでしまうことも少なくないそうで、8歳まで生きると長生きに入る程なのだとか）ので厳しいと思い、断念したのでした。

性格的には穏やかなグレートデンですが、子犬のときはきっとめちゃくちゃ手がかかるに違いありません。だって大きいですもの。

セッターちゃんの破壊行為や高い所に届くいたずらですら大変なのに、それよりもさらに長く大きいのです。どこに置いても届いてしまうでしょうし、どんなものでも壊してしまえるはず。

よっぽどの覚悟と犬に割く時間がないと難しいですよね、絶対。

あそこまで大きいと散歩するのにも周りにとても気を遣わなくてはならないでしょうし。

雑種の子犬であれば成犬の大きさや性格の予想が立たないというのもわからなくもないですが、純粋犬であればおおよその予想は立つでしょうに。

犬を家族に迎えるのであれば、大きさ、性格、運動量などをきちんと調べてから、自分の家に合っているか、自分の生活で対応できるかを熟考した上で選んでほしいと思います。

おもちゃじゃないですからね。アクセサリーじゃないですからね。

犬（だけじゃなくペット全部がそうですが）は飼い主が世話をしない限り、生活していくことができないのですから。

ただ「生きる」じゃないですよ、「生活」です。餌を与えるだけで繋ぎっぱなし、滅多に散歩に連れて行かない、ストレスが溜まって吠えたりいたずらをすれば、バカ犬よばわり。そんな人間が生き物を飼う資格はないです。

「犬に合わせるのではなく、犬が人間に合わせるんだ」といった人がいますが、私はそうは思いません。

犬は人に飼われることを自分で選んだわけじゃないのですから。人がその犬を選んだのです。だったら、その犬が少しでもその犬らしく幸せに暮らしていけるように思いやっていく必要があると思うのです。

人間社会の中で暮らしていくのですから、そりゃあ、犬が人間に合わせる部分が沢山出てくるのは当たり前です。でもそれは人間の社会の中で、という部分であって、家族としては違います。甘えん坊の性格であれば、なるべく留守番を少なく、家族のそばにいられるようにする、運動量が多い犬であれば、毎日歩くだけの散歩ではなく、ドッグランで走らせたり自転車で並走したりする。犬の個々の性質に合わせて人間が生活を考えてあげなくちゃ。

お誕生日に豪華な犬ケーキなんてなくってもいい。一緒に生活をして、一緒にいることでお互いが幸せだと思える毎日が送れたら、誕生日もいつもと同じご飯だっていい。

そう思います。