スタッフの日々
火の粉
2016年05月30日
ここ最近のドラマでは最高にhitだった「火の粉」が終わってしまいました。
毎回、怖くて、そして辛くて切なくて。
ユースケ・サンタマリア扮する武内さん。一家殺害の容疑者だったのですが、裁判の結果無罪となった男性。
その武内さんが無罪判決を出した裁判官の隣りの家に越してくることからドラマがスタートしたのでした。
この武内さんは、いわゆる異常者。常識が通じない相手。
子供の頃の母親とのトラウマが原因で、他人との距離が取れない。
惨殺した一家と「家族になる」ことを夢見て彼の思いつく限りの親切をするのですが、家族がその親切を拒否したり(そんな高価なプレゼントはもらえない、など)、家族にどんどん入り込んでくる武内さんに困惑していくのがみえてくることで、武内さんは裏切られた、見捨てられたという感情が生まれてきたのでした。そして惨殺。
次の「家族」は無罪にしてくれた裁判官に報いる為に、大切にしなくちゃと、裁判官一家隣りに現れたのでした・・・
武内さんは本気で大切にしようと思っていたのです。おかしいくらいの親切で。
「僕がこんなにあなた達のことを思っているのに、どうしてわかってくれないの?」と相手の気持ちはおかまいなしで彼の思う愛情を押しつけてきます。
その道理の通じない狂気が恐ろしいと同時に、そんな形でしか他者を愛せない武内さんが本当にかわいそうで。
だってわからないんですから。武内さんは他者の感覚とは種類が違うので理解ができない。
どうして?どうしてわかってくれないの?どうして僕の愛情を無下にするの?って、本人はものすごく辛く悲しく寂しい。
そんな武内さんを思うと観ているこちらが悲しい・・・
最終回、救いのある終わり方でした。人によって解釈は違うと思うのですが、私には「救いのある」ように思えました。
武内さんの「もう疲れちゃった・・・」という言葉、娘と号泣。
私の周りにもいます。人殺しをするわけではないですし、武内さんほどの常軌を逸する行動をするわけではないですが、でも他者の心を本当の意味で理解することができない、自分の感情を最優先してしまうという意味での感覚が近い人。
切ないなあと思うのです、心から。
そして、あなたがわからなくてもいい、わからないというあなたを私は理解しているから、受け止めるから、と思うのですが、でもきっとそれは伝わらない。
伝わらないことさえも受け止めていく、それが寄り添うことなのだと。
そんなことを考えたドラマでした。
内容以外にも、音楽の使い方、映像の撮り方、場面の変わり方、、、好きでしたー、とっても。
今日のお弁当。
たらこふりかけご飯。
鶏肉のさっぱり煮。
はんぺんのバター醤油焼き。
ほうれん草の胡麻ドレッシング和え。
プチトマト。
チーズ。
バナナ&ぶどう。