スタッフの日々

新しい下駄
2015年07月21日
自分の足に合った下駄が欲しい!
そう思って探してみたところ、門前仲町に1軒みつけました。
門前仲町は子供の頃からなじみ深い場所なので、あっ、あそこかもって。
お休みだと困るので事前に電話をしてみると、「やってるよ。おいで」と、これまたなじみ深い、江戸っ子言葉のおじさん。
江戸っ子の定義は「3代続き、自分も江戸生まれでなければならない」のだとか。正真正銘の江戸っ子です、私。それも下町育ちなので、べらんめえ口調のほうが安心するのです。
娘と一緒に行きました。
「さっき電話くれた人かい?」はい。「誰が履くの?2人ともね。どれがいい?」
色々な形の土台と鼻緒があります。
下駄には、駒下駄という、2枚の歯がついているもの、千両という、2枚のうち、前の歯が斜めになっているもの、小町という、前は斜め、後ろも台の通りに(靴のかかと部分のように)なっているもの、右近という、草履のような形のものなどがあります。
今まで私が履いていたのは白木の駒下駄。ちょっと四角くて粋な感じがして好きなのです。そして今回は白木の千両にしてみました。千両も四角い形。女らしいものより私っぽいと思うのです。
娘も千両が気に入ったみたい。黒塗りを選んでいました。
いよいよ鼻緒選び。
娘は真っ赤なビロードのようなものにしていました。赤にも色々あったのですが、確かにこれが一番よかった。
私は生成りっぽいものと水色のもので悩んだ結果、水色に。
ここからおじさんの職人技に見入っていくのです。
かっこいい!そしてとっても面白かったです。おじさんはひとつひとつ丁寧に作業内容を教えてくれたり、「昔はね、芸者さんの正月の下駄は黒の土台に赤い鼻緒、土台にそれぞれが白で名前を書くんだよ。皆同じだからわからなくなっちゃうだろ」なんてうんちくも沢山。
最近は下駄に足袋を合わせる人もいますよね、というと、「そんなの田舎者かセンスのない人がするもんだよ」ですって。
私も浴衣は素足に下駄が一番好き。着物風な着こなしってどうかしら、と思っていたので、ちょっと嬉しかったです。
作業中の写真です。土台に穴を開けています。
それぞれの足に合わせて鼻緒をすげてもらって出来上がり。
「ぎりぎりまで足を入れちゃダメだよ。かっこ悪いからね。」
すごーく素敵な下駄。大事に履こう!
持って行った下駄もメンテナンスしてくれました。「綺麗に履いてるね。こうやって平均的に減っていくのがいいんだよ。一度履いたら次は左右を変えるんだよ。そうすれば均等に減るだろ。この下駄もいいものだね。でもあと3回くらいで鼻緒が切れるだろうから、少し履いたら持っておいで。新しい鼻緒にすげかえよう」
はい!