スタッフの日々

イタリアンのマダム
2015年01月22日
もう20年以上前の話ですが、夫(当時は彼)と「何食べよう」と麻布十番をぷらぷらしていると、新しくできたイタリアンを見つけました。
「美味しいのかなあ?」なんて2人で外から様子をうかがっていると、それに気づいた女性の方が「是非どうぞ!」と。
とっても明るく感じのいい方で、その雰囲気に押されるように入ってしまいました。
大正解!
どの料理もとても美味しくて、ひとりで注文からサーブまで行なっている彼女がとにかく素敵で。
それから大好きなお店として頻繁に通うようになったのでした。
「あまりにも美しいカップルでつい、写真を撮らせて、っていっちゃったのよねー」と、最初にお店に入ったときに彼女が撮ってくれたその写真が何年も飾ってくれてあって。(若い頃の彼は細く、ロシアの血が入っているだけにビジュアルは悪くなかったのです。私も若かったし。)
彼女はバツイチでその頃中学生だったかな?、娘さんがいて、再婚した人と二人でそのお店を開いたのでした。
「いやー、すごい借金したのよー。頑張らないと」っていってたのですが、ご主人であるシェフの料理は石田純一に「一番美味しく大好きなイタリアン」と絶賛されるほどでしたし、なんといってもマダムとして切り盛りする彼女の人柄や仕事っぷりに魅了されてあっという間に人気店に。
ここ数年、バタバタしてなかなか行く機会がなくなってしまっていたのですが、折りに触れて彼女のことを思い出し、近いうちに行こう、と何度も思っていたのでした。
そして今日。
やっぱりあのアラビアータが食べたいな、よし、今月中に行こう!と定休日などの確認をしようとネットで調べてみると、、、
えっ?
数年前に彼女は亡くなってしまったようでした。
癌だとか。
闘病中もギリギリまでお店に立っていたのだそう。
行けばよかった。何年も行こうと思い続けていたくせに。
後悔・・・
娘が生まれた時に花束をプレゼントしてくれた彼女。私もありがとうの意味をこめて近いうちにお花を持ってお店に行きたいと思います。
会いたいと思った時には会う努力をしたほうがいいのですね。
明日がどうなっているのかわからないのだから。
今日のお弁当。
シャケご飯。
和風ハンバーグと人参のソテー。
ほうれんそうの韓国和え。
卵の袋煮。
はれひめ。