スタッフの日々

土曜日のおばあさん
2013年07月09日
近所のとんかつやさんに行ったときの話。
入店したときはまだ誰もいなかったのですが、注文をしてしばらくすると、おばあさんが一人でやってきて隣のテーブルに座りました。
他にも席が沢山あるのにどうして隣?とは思いましたが、それほど気にならず、娘達と話していると、おもむろにタバコを吸い始めました。
「ちょっと勘弁してよ。タバコを吸うなら離れてくれればいいのに。いっそのこと、こちらが席を移動しようかしら。なんて思っていると、ご飯が来てしまったので、仕方なく食べ始めました。
すると、隣のおばあさんが、「こんなに大きな娘さんがいるなんてねえ、みえないねえ」と話しかけてきたのです。
そして、「これ、食べる?」とビニールに入ったきゅうりの糠漬けを手渡してくれたので、せっかくだからと少しいただき、「ありがとうございました」というと、「全部食べていいのよ。いつもここに来る人が好きなんだけど今日はいないからよかったら」と全部くださいました。
美味しいのです、これが。娘と美味しいねーと喜んで食べていると、「50年漬けているのよ」と。50年の糠床!だからこんなに美味しいんだわ。
いつも行く近所のおそばやさんがお休みの日はここに来るのだとか。毎日ひとりで食べているんだな、寂しいから話しかけてきてくれているんだな、と思いました。
そう考えると隣りに座ってきたのも理解できます。
85歳なんですって。
きっとひとり暮らし。それでも毎日糠漬けを作っているなんて。
バリバリと食べている私達をみて、ちょっと嬉しかったのかも、なんて思いました。
足が痛いとはいっていたけれど、耳も全く遠くないし、話す感覚もとても若々しい、素敵なおばあさんでした。そして照れくさそうにするときの表情が亡くなった祖母にちょっと似ていて、なんだか幸せな気持ちになりました。
土曜日にそのお店に行けばきっとおばあさんに会えると思います。
だからまた、近いうちにのぞいてみようかな、なんて思っています。
今日のお弁当。
鮭ご飯。
丸ズッキーニの肉詰め。
イタリアントマトのソテー。
アスパラガス。マヨネーズをつけて。
ベルキューブチーズ。
みかん。